犬死のトレーニング / The Training of INU-JINI
黄金町バザール2021の出展作品
《犬死のトレーニング》2021年、6チャンネルビデオインスタレーション、連続する6つの小部屋(サイズ可変)
“The Training of INU-JINI” 2021, Six Channel-Video Installation, Six small rooms in a row (Variable Size)
スーパーの前に繋がれ、飼い主の買物が終わるのを待っている犬。そんな手持無沙汰にしている犬の横で、着ぐるみを着たトモトシが飼い主の帰りを一緒に待つ。帰ってきた飼い主に愛想を振りまいたところで、(当然だけれど)着ぐるみの犬を連れて帰ってはくれない。淡い期待が裏切られ、トモトシはその場に倒れ込む。明日にも孤独に倒れる(犬死にする)かもしれないパンデミックの時代におけるささやかな訓練としてこの滑稽な試みを繰り返した。
「コロナ禍は、誰もがいつ死んでもおかしくないという不安をもたらした。家族と離れ、基本孤独に暮らしている自分にとっての死の怖さは、死という出来事そのものよりもその結果として「自分が孤独であったことを確定してしまう」ことにある。例えば狭い部屋に孤独死してしまっている状態で発見されたとして、その光景はトモトシは犬死したということを言い訳の余地なく断定してしまうという怖れなのだ。」(展示ステートメント)