都市をたずねる 9 – 布施琳太郎「オブリストの『do it(home)』を勝手に開催する?ベッドルームの公共性?」


東京・西荻窪に開館した「トモ都市美術館」。毎週土曜は、オープン・ミュージアム・デー。ゲストを招き、現代都市について意見を交わせるトークプログラム「都市をたずねる」を開催します。8月15日(土)の「都市をたずねる」は、アーティストであり、展覧会企画や批評など幅広い活動をおこなう布施琳太郎をゲストに迎え、これまでの活動のスクリーニングを行ってもらいながら、現代都市の可能性を探ります。

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「オブリストの『do it(home)』を勝手に開催する?ベッドルームの公共性?」
このトークは前半、後半に分けられています。しかし全体が「公共空間としてのベッドルーム」というテーマに貫かれて、展開します。
前半では「トモ都市美術館」のなかでひとつの展覧会を一時的に勝手に開催することを試みます。それはキュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリストの、クリスチャン・ボルタンスキーとベルトラン・ラヴィエとカフェで行なった対話からはじまった『do it』という展覧会です。さらに2020年に至ってオブリストは、COVID-19の感染拡大に触発されて『do it(home)』というバージョンを発表しました。これはPDFとして配布されており、インターネット環境があれば誰でも楽しむことができます。
後半では、この100年あまりのなかで、鑑賞者のベッドルームや部屋を公共空間へと変質させた芸術実践について紹介します。前半と後半のイベントを通じて、公共空間とはなにか?ミュージアム、ギャラリー、公園やストリートといった自治体や行政によって維持される場所に対して、ベッドルームやオルタナティヴスペースをはじめとしたインディペンデントな場所は、今日の社会においてどのような役割を持つのか?を考えることができたらと思っています。(布施琳太郎)

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都市をたずねる 9
– ゲスト 布施琳太郎 -「オブリストの『do it(home)』を勝手に開催する?ベッドルームの公共性?」
日時:2020年8月15日(土)18:00 – 20:00
会場:トモ都市美術館(東京都杉並区上荻4-6-6)
料金:1,000円 (資料付き)
幹事:トモトシ
テキストダウンロードリンク:https://www.norton.org/building/NMAFromHome/do-it-home
※トーク参加は先着順で、10名程度となります。
※トモ都市美術館 常設展「トモトシ Archive 2016-2020」開催中(展覧会は 15:00 – 23:00 開館)

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布施琳太郎
1994年生まれ。アーティスト。2017年、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。現在同大学院後期博士課程映像研究科 (映像メディア学) 在籍。先史時代の洞窟壁画についてのリサーチとiPhoneの発売以降の社会についての思弁を下敷きに、絵画や映像、インスタレーションの制作をはじめとして、同世代の制作者を広く集めて編纂する展覧会企画や批評などの活動を行っている。主な展覧会企画に、「iphone mural(iPhoneの洞窟壁画)」(BLOCK HOUSE, 2016)、「新しい孤独」(コ本や, 2017)、「ソラリスの酒場」(the Cave/Bar333, 2018)、「孤独の地図」(四谷未確認スタジオ, 2018)、「The Walking Eye/歩行する眼」(横浜赤レンガ倉庫, 2019) 、「隔離式濃厚接触室」(ウェブページ, 2020) 等。https://rintarofuse.com/

参考:布施琳太郎が問うコロナ禍と「つながり」。あなたがあなたと出会うために──不安の抗体としての、秘密の共有|美術手帖
参考:第16回芸術評論募集【佳作】布施琳太郎「新しい孤独」|美術手帖

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住宅でもあるトモ都市美術館の空間を活かした企画。現在の状況に対する返答としてのイベントになりました。指示書を読みながら実際にアクションしてみると、いろいろと面白い発見がありました。後半は布施くんのキュレーションの仕事にまつわるプレゼンを聞けました。インターネットをテーマにする作家は多くいますが、ネット初期に遡ってリアルな問題意識で制作していた作家、さらに現在のソーシャルメディアを舞台に制作している作家を並べて解説してもらいました。イベント終了後も、終電くらいまで議論が続きました! (トモトシ)

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TOMO都市美術館